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パートタイム労働法関連の助成金について

 前回、パートタイム労働法の改正内容について解説しました。その改正の一環として、助成金が支給されるようになりました。これはパートタイマーと正社員の共通の評価・資格制度や短時間正社員制度の導入、パートタイマーの能力開発などの均衡待遇に向けた取り組みに努める事業主に対して支給されるものです。今回は、この助成金について解説します。

1. 支給申請ができる事業主

 労働保険(労災保険、雇用保険)の適用事業主であること。

2. 支給対象メニューと支給額

 支給メニューと支給額は、次のとおりです。
 (1) 正社員と共通の処遇制度の導入
パートタイマーの仕事や能力に応じた処遇について、正社員と共通の評価・資格制度を設けた上で、実際に格付けされたパートタイマーが1名以上でた場合に支給されます。ただし、パートタイマーの2分の1以上が雇用保険の被保険者である必要があります。
 支給額:25万円×2回
 (2) パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度の導入
 パートタイマーの仕事や能力に応じた評価・資格制度を設けた上で、実際に格付けされたパートタイマーが1名以上でた場合に支給されます。ただし、パートタイマーの2分の1以上が雇用保険の被保険者である必要があります。
 支給額:15万円×2回
 (3) 正社員への転換制度の導入
 パートタイマーから正社員への転換制度を設けた上で、実際に転換者が1名以上でた場合に支給されます。転換後の正社員は、労働契約期間の定めがないことが要件です。
 支給額:15万円×2回
 (4) 短時間正社員制度の導入
 短時間正社員制度を設けた上で、実際に短時間正社員が1名以上でた場合に支給されます。短時間正社員とは、以下の要件を満たす社員です。
 ① 正社員と比較して1週間の所定労働時間が1割以上短い。
 ② 労働契約期間の定めがない。
 ③ 時間当たりの基本給が、同種の業務に従事する正社員と同等以上である。
 支給額:15万円×2回
 (5) 教育訓練制度の導入
 正社員との均衡を考慮した教育訓練制度を設けた上で、パートタイマーに延べ30名以上実施した場合に支給されます。
 支給額:15万円×2回
 (6) 健康診断制度の導入
 パートタイマーの健康診断(雇入時健康診断、定期健康診断、人間ドック、生活習慣病予防検診)の制度を設けた上で、その受診者が1名以上でた場合に支給されます。
 支給額:15万円×2回

3. 支給申請までのスケジュール

 (1) 平成19年7月1日以降に新たに制度を導入
 ↓
 (2) 制度導入後2年以内に対象者が出る
 ↓
 (3) 3ヶ月以内に1回目の支給申請
 ↓
 (4) 対象者が出て6ヶ月を経過した日から3ヶ月以内に2回目の支給申請

 以上、簡単にパートタイム労働法関連の助成金について説明いたしました。これはパートタイマーのやる気を引き出し、ひいては企業の活性化につなげていくためのものです。積極的に活用しましょう。