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クリエイティブビジネスサポート 松尾社会保険労務士事務所

労働時間について ―基礎―

1.労働時間とは?

 労働時間とは、いったいどんな時間なのでしょうか。
 働いている時間のこと?
 拘束時間のこと?
 労働基準法が規制する労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間のことです。休憩時間は除かれますが、待機している時間は労働時間となります。例えば、昼食休憩時間に来客当番をさせている時間はこの待機時間にあたり、労働時間としてカウントされます。またトラックの運転を2名が交替で行う場合に、運転しない者が助手席で休息し、又は仮眠をしている時間も同様に労働時間となります。

2.労働時間の制限

 労働時間について労働基準法は、休憩時間を除き1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはならない(一部、1週44時間という例外があります)と規定しています。これが、法定労働時間です。使用者が労働者を、法定労働時間以上働かせるためには、使用者と労働者の間で協定を締結し、労働基準監督署に届け出なければなりません。
 また、法定労働時間を超えて労働させた場合には、割増した賃金を支払わなければなりません。

3.所定労働時間と法定労働時間

 所定労働時間とは、それぞれの会社で労働協約、就業規則または労働契約により、あらかじめ定められている労働時間のことで、休憩時間は含みません。始業時刻が午前9時、就業時刻が午後5時、休憩時間が1時間のA社の場合、所定労働時間は7時間となります。
 A社で働くBさんが、午後6時まで残業したとします。Bさんの給料の時間単価は1,000円とすると、Bさんへはいくらの残業代をプラスすればいいのでしょうか。答えは、1,000円です。
 では、残業が午後7時までだったら?
 午後6時までの1,000円と、午後6時から午後7時までの1,250円の合計、2,250円です。
 通常の時間単価より割増しして支払わなければならないのは、法定労働時間である1日8時間、もしくは1週40時間を超えた時間外労働に対してです。始業時刻が午前9時であるA社の場合、法定労働時間を超えるのは、午後6時以降です。ただし、労働協約、就業規則または労働契約などで所定労働時間を超えた場合に割増す旨の規定があれば、所定労働時間を超えた場合にも割増賃金を支払わなければなりません。

4.休日労働

 労働基準法で、毎週少なくとも1回の休日(もしくは4週間を通じて4日以上の休日)を与えなければならないと定められています。これを法定休日といいます。週休2日制のA社の場合、休日のうちの1日だけ働いたとしても、労働基準法上の休日割増には該当しません。

5.深夜労働

 午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は、深夜割増が必要になります。これは、労働時間が8時間を超えていなくても必要です。深夜の時間帯に8時間を超えると、時間外割増プラス深夜割増となります。